第六章 流転の姫
 
 
 
 
 
                  
 
 
 雨が、降っている。   
「本当に、気鬱な雨でございますね」
 背後に控える老輩の女官が、ほっとため息まじりに呟いた。
 陰々と続く雨は、室内を翳らせ、途切れることのない憂鬱な音色を奏で続けている。
「縁起が悪うございますわ、このような良き日が雨に祟られるとは」
 別の女官が囁いた。「しっ」と他の者から叱られている気配がする。
 が、誰の心にも同じ憂鬱が潜んでいるはずだった。
 シュミラクールでは、雨は「厄日」を意味している。こんな日に結婚式をあげようとする不信心者など、滅多にいない。それを、法皇家自ら執り行おうというのだから、呆れたものだ、としか言いようがないのかもしれない。
 が、裏を返せば、それだけ今日の結婚式が重要で、天候どころではない緊急性を孕んでいるとも言える。   
「クシュリナ様、どうなさいました」
「え?」
 自分が呼ばれていることにようやく気づき、クシュリナはうつむいていた顔をあげた。
「お気になさることはございませんよ。新しい時代を作るお二人の式に、雨などいかほどのものでございましょう」
 雨音に気持ちが沈んでいたのは確かだが、自分の式のことを考えていたわけではなかった。
 考えていたのは、この雨の中、国境あたりを彷徨っているはずの人である。    ただし、生きていればの話だが。
「ほら、ご覧になってくださいませ。かようにお美しい花嫁は、イヌルダのどこを探しても見つけることなどできませんわ」
 うながされるように、クシュリナは、大きな鏡に映る自分を見つめた。
 肩に垂れた長い巻毛。パールの髪飾りをつけて銀粉をふりかけた鬘。
 ドレスは、金刺繍入りのシルクで、後ろに深いボックス・プリーツをとったサック型のガウンを羽織っている。ひだのたっぷり入ったミルクのような滑らかな純白、長く尾を引く、豪華なレースの引き裾。
     これが、本当に私だろうか?
 いつにも増して、見知らぬ他人を見ているような気がするのは何故だろう。
 他人の人生を、ただ、漠然となぞっているだけのような気がするのは。
 教会の鐘が、雨に共鳴して鳴り響いている。
 シーニュの森で、ラッセルとダーラを祝福する音色を聞いたのは、ほんの数日前のことだった。今は、自分のために、同じ音を聞いている。
 皇都の南西にある森林地帯。長閑な田園と、貴族たちの冬の別荘が点在するその外れに、皇室所有の教会があった。
 クィーンズベリ教会。
 金羽宮を離れて療養していたクシュリナの母のために、ハシェミがわざわざ作らせたものである。小さいとはいえ、豪奢で美しい外観を備え、輝く白水晶を思わせる玲瓏たる建物だ。
 その二階で、クシュリナは支度を整え、式の始まりを待っていた。
 参列者は立会人として法王コンスタンティノ・ルーシュ、そして、甲州公ハシェミ。
 あとは当人である花嫁と花婿、それだけである。
 極秘裏の結婚式場には、すでに沢山の青百合騎士が詰め、甲州公の私兵水菫(シーモス)軍が密かに周囲を固めている。
 忌みたる驟雨の中    しかも、祝宴とは程遠いものものしい雰囲気の中、後は法王家の到着を待つだけとなっていた。
 背後の扉がコツコツと叩かれ、教会の修道女が顔を出した。
「クシュリナ様におかれましては、もうしばらくお待ちを、とのことでございます」
「まぁ」
「予定時間はとうに過ぎていますよ」
 立ち上がった青百合女官たちが、眉をひそめて口々に不満を洩らす。
「申しわけございません。アシュラル様のご到着が、遅れていらっしゃるのでございます」
 修道女は、声をひそめて囁いた。
     アシュラル。
 名前を聞いた途端、クシュリナは、自分の眉がわずかに歪むのを感じた。
 それはいつもの、嫌悪から来る拒否反応である。正直言えば今は、今日結婚する男のことなど考える余裕もなかった。
「ユーリ」
 クシュリナは口の中で呟き、レースの影で両手を固く握り締めた。
「お願い、無事でいて、どうか……生きていて」
 
 
                
 
 
 あの夜。   
 覚悟して目を閉じたものの、クシュリナは、涙が後から後から零れ落ちるのを止めることができなかった。
「クシュリナ……」
 永遠に思えるほどの沈黙の後、ユーリは苦しげに呟いた。ユーリもまた、クシュリナを見つめたまま、動こうとはしなかった。
「ラッセルは、もう君の元には戻らないんだぞ」
 クシュリナは、首を横に振った。
「君を待っているのは……大嫌いな男との、結婚じゃないのか?」
 首を振る。
「俺じゃ……駄目なのか。そうなっても、……ラッセルの代わりにもならないのか」
 振り続ける。そうじゃない、ラッセルの代わりなどと思ったこともない。ユーリはユーリで、ラッセルはラッセルだ。
 しゃくりあげるように胸が熱くなり、言葉は何も出てこなかった。ただ、涙だけが止まらない。
 やがて震える腕が、ゆっくりとクシュリナの肩から外された。ユーリは無言で窓辺に立ち、両腕で自身を抱くようにして夜を見つめた。
「ユーリ……?」
 あまりの静けさに、不安にかられて名を呼んでみる。細い背中は振り返らなかった。
 おずおずと歩み寄る。「こないでくれ」横顔は無理に笑おうとしていた。
「俺は馬鹿だな、今夜、それが本当の意味でよく判ったよ」
 まるで母親に棄てられた子供のような声だった。
「俺は、君を、永久に失った。……」
     ユーリ……。
「虫のいい言い草だが、許してほしい。そして……今夜のことは、全部、君の記憶から消し去ってほしい」
「………」
「また会う時のために……いや、もう会えないかもしれないが」
     ああ……!
 胸が、苦しいほどに、ねじ切られるほどに激しく痛んだ。
 ユーリは、今、孤独なのだ。いつも諦めの淵にいる彼が、必死の思いで手を伸ばしている。懸命に    気が狂いそうなほどに誰かの温もりを求め、繋がりを求めている。ユーリが……あの、気高い孤高を保っているユーリが。
 ユーリの弱さも優しさも、クシュリナはよく知っているつもりだった。
 頼りにしていたグレシャムを失い、自分が殺したとしか思えない状況で、生国に旅立つしかないユーリは、本当は、不安で怖くてたまらないのだろう。
 だから、救いを求めている、藁にもすがる思いで生きる希望を見出そうとしている。他の誰でもない、この私に   
「私……待っているわ」
 すがるように出た言葉だった。どうしても、このまま、ユーリに絶望だけを持って行ってほしくなかった。
「私、ユーリが迎えにきてくれるのを、ずっとここで待っているわ」
「待つ……?」
 青を溶かした灰色の目が、訝しげに振り返る。
「俺を、……か?」
 クシュリナは頷いた。
「約束したでしょう? いつか私を、ユーリの生まれ故郷に連れて行ってくれるって」
 銀の光を放つ髪が、夜の闇に煌めいた。
 見開かれた瞳が、驚きと歓喜で揺れている。
「連れて行くさ」
 震える声で、ユーリは呟いた。
「俺は君を、ずっとこの国から連れ出してやりたかった。俺には到底かなわない……でも、だからこそ君だけでも自由にしてやるのが、俺の、たったひとつの夢だった」
 クシュリナも、眼を潤ませていた。
 自分の生い立ちと比べるまでもない、ユーリの方が何万倍も過酷な状況で生きている。なのに    ユーリは……自身の未来は諦めても、それでも……。
「君は結婚する……」
「形だけよ。……愛することはないわ」
 その刹那、本当にクシュリナはアシュラルの顔を思い出せなくなっていた。彼の……顔も、声も、眼差しも。あれほど嫌いながら、不思議なくらい、全てを鮮明に記憶していたのに。
「あなたが、蒙真で力を得て」
 それは、今のクシュリナには祈るしかない希望だった。闇の中で、どこに差し込んでいるか判らない光一筋を探すような切ない願いだった。
「私を……この国から連れ出して、自由にしてくれるのを……私……ずっと、待っているから」
 クシュリナは歩み寄り、冷たく冷えたユーリの手を両手でそっと包みこんだ。
 今、一人で行かせれば、ユーリはきっと死んでしまうだろう。彼の目が、すでに従来の諦めの海に沈んでいることをクシュリナは知っている。
 運命に抗うこともなく……ひょっとしたら、自身の意思で、命を断ってしまうかもしれない。
「だからユーリも約束して、それまで、何があっても諦めずに生き続けるって」
「……クシュリナ!」
 再びユーリに、渾身の力で抱きすくめられていた。
「ああ、俺は……、今の言葉を、本当に信じてもいいんだな?」
 熱にうかされたような声と、情熱的な抱擁。
 本能の底にある不安にかられ、クシュリナは顔を上げた。
 言った言葉に嘘はない。欺きでも誤魔化しでもなかった。クシュリナはユーリを待つことを、自身が失くしてしまった希望の代わりにしようと決めた。
 もう、ラッセルは二度と戻らない……。でも、でも。
     私……。
 迷宮のような戸惑いの中、熱を帯びた瞳が、クシュリナを見つめ、ゆっくりと近づいてくる。
 反射的に避けようとしたが、理性がそれを押しとどめた。
 震えるように触れて、おごそかに離れるキス。それが、儀式的に抑圧されたものであるだけに、クシュリナの心は激しく痛んだ。
「君を、愛している……」
 頬を抱かれ、クシュリナはうつむいた。
 その刹那、夜を照らす雷鳴にあぶられたように、見えてしまった気持があった。
「何年たとうと、必ず君を迎えに来る。……その時こそ、君を俺の妻にするとシーニュに誓おう」
「ユーリ……」
「君が誰のものになっていようが、必ず」
 私は今、どんな顔をしているのだろう。
 ユーリに、優しく抱きしめられながら、クシュリナは、激しい後悔と共に、自分の残酷な感情と向き合っていた。
 その時、外から扉が軽く叩かれた。二度、    言葉はない。
「クシュリナ」
 それが何かの合図だったのか、厳しい目で背後を振り返り、ユーリは低く囁いた。
「最後に、君に忠告しなければならないことがある」
「忠告?」
「この国で、もう誰も信用するな。今まで君が、信頼していた人たちでもだ」
 クシュリナは顔を上げた。ユーリの目は険しかった。
「たとえば、隣の部屋にいた女官だ」
 カヤノ。    クシュリナは眉をひそめていた。彼女もまた、カタリナ修道院の出だと聞いている。
「彼女の背後には、カタリナ派と呼ばれる一味がいる、それは、知っているな」
「………」
「詳しくは話せない。ただ、皇都で俺の命を狙っている連中のひとつに、カタリナ派がいることは間違いないんだ。……グレシャムを殺したのも、彼らかも知れない。それは、可能性としては小さくはあるが」
 まさか。思わず息を引いている。
 カタリナ派が、もしカタリナ修道院を出た者たちで組織されているのなら、その中にはラッセルもいるし、ダーラもいる。鷲翼隊(バートル)隊隊長のジュールもいる。
「ラッセルを信じるなというんじゃない」
 見透かしたように、ユーリは笑った。
「君は人を見る目がないからね……。君に近づく全ての人を疑ってかかるんだ。そのくらい用心した方がいいし、今はそうすべき状況だ。    ただ、無条件に信じていい人間もいる。ラッセルはそのいい例だろうね」
 サランナに預かった蛇薬。   
 それは、鍵をかけた小箱に今でもしまってある。
 はっと胸打つような動揺を感じながら、クシュリナはユーリの腕を解いて、寝室の奥に急ぎ、厳重に隠してあるその小箱を取り出した。
「……これを、どうして」
 差し出すと、ユーリの表情がみるみる変わった。それはいっそ、驚愕というより、恐怖に近しい眼差しだった。
「私のものではないわ」クシュリナは早口でユーリの疑念を遮った。
「ある人に預かったのよ、中身を調べてほしいって」
 ユーリは眉を寄せたまま、丸薬を手のひらに出して鼻のあたりにちかづける。
「火をつけてみれば、はっきり判るんだが……形や色は間違いなく蛇薬だよ」
 厳しい眼が、誰に、と、問っている。
「言えないの……。でも、その人は、白蘭オルドから手に入れたと言っていたわ」
「白蘭オルド……」
 ユーリは眉を寄せたままで呟く。
「ずっと半信半疑だったの。でも……やっぱりこれは、グレシャム公の、持ち物なのかしら」
「………」
「グレシャム公は、どこで蛇薬を手に入れていたの? ユーリは……何か聞いてはいない?」
 サランナの名前は言えなかった。ユーリを信じられないというよりも、この場合、サランナの信頼を裏切りたくないという気持のほうが強い。
 ユーリは眼をすがめたまま、しばらくの間黙っていた。やがてその目許にあるかなきかの、苦笑にも似た冷笑が浮かんだ。
「鷹宮家の家紋……笑ってしまうな。いかにグレシャムが自信過剰の男でも、わざわざ家紋入りの瓶にこんな物騒なものを詰めたりしないよ」
「ユーリ……」
 答えないユーリは、暗い眼のまま、瓶を自身の胸元に滑らせた。
「安心しろ、これは俺が始末する。君は一切関わるな。いいな、それが君のためだ」
「でも」
「いいから聞け! いったい、君はいつからこんなものを持っていた。定められた女官なら誰もが出入りできるオルドで、万が一ということを考えもしなかったのか」
     万が一……?
 瞬きをするクシュリナの肩を、ユーリは強く抱きしめた。
「こんなものが万が一君の部屋から出てきたらどうなる。君は皇位継承はおろか、邪教徒として処刑されてしまうかもしれないんだぞ!」
「…………」
「誰が君にこんなものを預けた……言えないって眼をしてるな    いいさ、どのみち聞きだすだけの時間もない。が、これだけは言っておく。そいつは君の敵だ。間違いなくね」
 違う……それは、違う。
 サランナから、これを預かって随分が経つ。もし、彼女に害意があれば、すぐにユーリの言ったような罠が発動されていただろう。
 が、そうであっても自身が限りなく迂闊だったことだけは、はっきりと理解できた。
 この数日、今にも切れそうなほどあやうい綱の上をふらふら一人で歩いていたことも。
「心配だ。心配でたまらないよ。本当を言えば、今すぐにでも君を連れていきたい、でも、君だけは連れていけない。今、君がこのオルドから消えれば、君も俺と同罪になるからだ……」
 無念を滲ませて言葉を切り、ユーリは苦しげな眼でクシュリナを見つめた。
「もっと、君に言わなければならないことがある……多分、伝えなければ、後で後悔することも……でも……」
 きつく閉じられた睫が震えていた。噛みしめられた唇からは、慙愧の歯ぎしりさえ聞こえてきそうだった。
「ああ、これも運命か! もう時間がない。俺は君を置いていくしかない!」
     ユーリ……。
「俺にもっと、力があったら」
 ユーリの狂わんばかりの懊悩を肌で感じながら、クシュリナは、自分の唇が震え続けているのを感じた。ユーリ、ごめんなさい。私は、本当は。
 指先に、そっと冷たい唇が押しあてられる。
 顔をあげると、ユーリが自身の首から、首飾りを外すところだった。
 銀色の鎖の垂れ下がった尖端に、小指の先ほどの、平たい、鈍く輝く緋色の石が揺れている。その石は角度を変える度に透き通った水晶にも、どろっと濁った血塊にも見え、闇に淡い燐光を放つように、あやしく、不気味に輝いている。
 が、そのどこか魔的な煌めきは、ユーリの身体を離れた途端に、幻のように消えた。クシュリナは驚いたが、平然とそれをかざすユーリの目に、特別な秘密はない。
 あるいは見間違いか、眼の錯覚だったのか。   
「今まで俺を護ってくれた。今日からは、君を護るだろう」
 蒙真を離れる時に、母親から託された首飾り。
 それが、ユーリにとってどれだけ大切なものであるか知っているクシュリナは、胸が苦しいほど痛むのを感じている。
 そっと首飾りが、クシュリナの首にかけられる。
「俺の心は、今、全部君に捧げた」
     ユーリ……。
「俺は蒙真へ行く。そして必ず彼の国を手に入れて、戻ってくる」
 夜を睨むユーリは、燃えるような揺らぎを美しい眼に宿していた。彼はもう何かをふっきったように、クシュリナを見てはいなかった。
 初めてその身から外した首飾りと共に    ユーリが今、耐え続けてきた自身の半生に決別したことをクシュリナは知った。
「君を    この国から、奪ってみせる」
 鋭く言い放ったユーリは、その夜を限りに金羽宮から消えた。
 その夜    尽きることのない人の怒声が、あわただしい足音が、フラウ・オルドに、いや金羽宮に、いまだかつてない騒動が起きたことを、否応なしにクシュリナに認識させた。
 グレシャム公の死は、しかし、一切公表されないまま、クシュリナは結婚式の朝を迎えた。
 むろん、ユーリがどうしているか、    どうなったのか、クシュリナには知りようがない。オルドの誰に尋ねてみても、よそよそしい顔で「青州公は白蘭オルドに引きこもっておられます」としか返されない。
 扉の向こうで異変を知っていたカヤノは、そのまま忽然と姿を消した。怪我をして役目を下ろされたと聞かされたが、それがどの程度の怪我なのか    何によって傷ついたのか    やはりクシュリナには何も判らないままだった。
 五公の一人であるグレシャムの死が伏せられている理由は、想像するだけで様々だった。
 禁制の蛇薬が絡んでいるためか。鷹宮家から公表を控えるように要請があったのか。もしくは    まだ生きているのか。
 が、あの雨夜のできごとが嘘でない証拠に、クシュリナの胸には、ユーリが片時も離したことのない銀の首飾りがかけられている。
 ユーリは……どうなったのだろう。無事に金波宮を出られたのだろうか。それとも捕縛されて、……極秘裏に処刑されてしまったのだろうか。   
 ぞっとするような不安の中、宮中の誰かが、ユーリの逃亡を手助けしていると思しきこと    それだけがクシュリナの希望であり、救いだった。そこに、どんな陰謀が張り巡らされていようと、ユーリにだけは生き続けてほしい。
 けれど、あの夜、クシュリナはどうにもならない残酷な現実を知ったのだった。
 ユーリを見送った後、クシュリナは、放心したように座り込んだ。
 誓いのキスを受けた唇が、凍えるように冷たかった。
 こんなに大切なのに、大好きなのに、彼のためなら、なんだってできるほどなのに。
 涙が零れた。それは、後悔と懺悔の涙だった。
     なのに……私は、ユーリを、愛してはいない……。

 
 
 
 
 
 
 

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