「てゆっかもう、胸がいっぱいというか、苦しいというか、とにかく何も手につかないんですけど!」
 そう言った途端に、上から書類の束で頭をはたかれる。
「さっきから、ぎゃあぎゃあうるさい。いい加減仕事に集中しろ」
「……っ……っ」
 成美は頭を押さえ、恨みがましい目で背後を通り過ぎる人を見上げた。
 むろん、こんな乱暴な真似をする人間は係内に1人しかいない。泣く子も黙る修羅雪姫こと、雪村主査である。
 隣では、それまで成美の懊悩のはけ口になっていた篠田が、うつむいて笑いを噛み殺している。
「まぁ、仕方ないっすよ。雪村さん。日高には初めての人事異動ですもん」
 後頭部に両手をあて、椅子をぎしぎし軋ませながら言ったのは大地だった。
「俺も最初はそうだったなぁ。朝からドッキドキで仕事なんか手につかない。ま、今はもう、異動先がどこだろうが、どうだっていいけどね」
「初めてもなにも、人事異動は毎年あるんだ。日高はもう2年目だぞ」
 自席につきながら、憮然として雪村。
「その2年、ってのが当確の年だからに決まってるじゃないっすか。日高は新規採用でここにきたから、2年で確実に異動ですよ。つまり、今年」
 もう1人の同僚、織田の口添えに、成美はこくこくと頷いた。
 人事異動に先立つ口頭内示――。
 それは、役所が最も緊張する一大イベントである。
 役所の人事異動は、全国津々浦々、4月1日に行われる。
 灰谷市のような政令指定都市ともなると、数千人単位の異動である。
 もちろん4月1日に異動が発令され、そこから動き出すのでは、人も仕事も滞る。それを避けるために、4月1日から5日程度さきがけて――大抵は2月から3月にかけて召集される議会の最終日なのだが――、口頭で異動が伝えられるのだ。それを、口頭内示という。
 それがすなわち、3月定例会最終日である今日なのだった。
 その日に確実に内示があるかどうかは、議会が何時に終わるかにかかっている。が、例年、4時を少し過ぎると、1人1人が課長席の前に呼ばれ、直々に次の異動先を告げられる。
 で、現在の時刻は午後5時5分前。課長は今から30分も前に席を立ったきり戻らない。
 課長の行き先が局長室なのは周知の事実だから、おそらく内示の連絡を受けているのは間違いないにしても――それにしても、遅すぎる。
「もめてんじゃ、ないですかね」
 ぽつり、と呟いたのは寝ぼけ眼がガチャピンに似ている篠田だった。
「前もあったじゃないですか。ほら、うちの局じゃないですけど、口頭内示の当日に、異動先に不満のある子が泣いて嫌がって、その夜全部ひっくりかえった、みたいなことが」
「え、あれは市役所の都市伝説でしょ」
「いやいや、本当なんだって。だって俺の知ってる人がその局にいたんだから。それにレアなケースじゃないらしいよ。口頭内示が議員の口出しでひっくりかえんのはよくあること。それで玉突き事故みたいに、翌日2、3人の異動先が変更されるんだってさ」
「おい、いい加減にしろ。まだ定時まで時間があるんだぞ」
 さすがに苛立った雪村の声で、一瞬もりあがった「内示」トークはお開きになった。
「つーか、今日誰も残業届けを出してないのはどういうことだよ。5時で切るからな。それすぎたらサービス残業な」
「……雪村さんこそ、もろに異動対象でしょ」
 成美が慌てて残業届けの画面を開いた時、ふと篠田が呟いた。
「やっぱりそうなんですか」
「正直、雪村さんがいなくなるのは大打撃だけど、あれだけ補佐とあわないんじゃね。補佐は1年目だから異動なんてあるわけないし、……だったら雪村さんが出ていくしかないでしょ」
 そう、だよね。
 成美はそっと、横目で雪村のデスクを盗み見た。
 今日も彼の机は決裁書類で一杯だ。前年に新しく来た課長補佐が、てんで課長に信頼されていないため、決裁の全てに雪村が目を通す事になったのだ。
 その補佐――明松淳子補佐は、1時間も前に消えたきり、まだ席に戻ってはこない。
 これもまた、いつもの法規係の光景である。とにかく社交的な明松補佐は、あらゆる幹部職員に顔がきく。そうしてあちこちの局長室を頻繁に訪ね歩き、せっせと社交術に精を出しているようなのだ。
 成美は、役所の新たな出世パターンを初めて知った思いだった。
 明松補佐はまだ40代半ば。さすがに官僚の柏原補佐には遠く及ばないものの、生え抜き女性職員の星、と呼ばれるほどに出世の早い女性である。
 だからといって、当然仕事ができるかといえば、驚くほどにそれができない。彼女のミスの穴埋めは、それが当然の責務であるかのように雪村に降りかかり、手柄は根こそぎ横取りされる。それでも課長以下誰も明松に文句がいえないのは、彼女の顔の広さ――局長クラスから議員にわたり、とにかく明松押しの幹部が多いことが原因なのである。
 美形な上に仕事のできる雪村は、当初、明松補佐一番のお気に入りだった。
 それがどういうわけだが、成美が長期休暇――6月に、氷室の件で東京に長逗留していた時のことだが――休暇明けに戻ってみると、状況は一変していた。
 何があったか明松補佐はあからさまに雪村を嫌うようになり、やたらと面倒な仕事を押し付けるばかりか、成美や篠田らのミスも、全て雪村の責任にして上に報告する始末である。
 雪村が局長に叱責されるたびに、成美などは悔しくて仕方なかったが、当の雪村は不思議なくらい平然としていた。
(まぁ、しょうがない。これも身から出た錆ってやつだ。口にきき方には気をつけろって、前から色んな人に忠告されてたしな)
(えっ、そうなんですか)
 と成美は驚いて聞き返していた。
 雪村の外見を裏切る口の悪さは、市役所の風物詩みたいなもので、誰もが暗黙の了解で認めていると思っていたのだ。
(今まで昇格とか意識したことなかったから好き放題やってたけど、俺ももう30過ぎだからな。いい加減先を見越さないと、年取ってからが窮屈になる。考えてみろ。自分より若い奴がもし上司にでもなったら、仕事なんてやめるぞ、俺は)
 雪村の気性ならそれもあり得る。……とは思いつつ、無能かつ身勝手な明松補佐の下、黙々と仕事をする雪村の態度は、すでに立派な大人だとも思う。
 ――先を、見越すか。
 雪村の言葉を思い返しながら、成美は席を立って廊下に出た。
 自分など一ヶ月先のことも判らなくてあたふたしているのに、雪村は、もう何年も先を見通している。
 ――雪村さん、大人だな……。でもそれは、当たり前、か。
 童顔だからつい忘れてしまいそうになるが、年でいえば雪村と氷室はそう変わらないのだ。
 廊下からふと振り返ると、執務室では篠田と大地が笑いながら何かを話している。
「……………」
 ふと寂しさがこみ上げ、成美は小さくため息をついていた。
 雪村をはじめ法規係で2年を共に過ごした篠田、大地、織田らには、今では友達みたいに仲良くしてもらっている。でもそれも――あと、たった5日で終わりなのだ。
 誰かが成美の代わりにあの席に座り、成美がしていた仕事をする。それが不思議であり、寂しくもある……。
 深呼吸をして、再び執務室に戻ろうとした時だった。反対側の扉から出て来た同期の友人――総務課にいる長瀬可南子が、成美を見てあっと声をあげた。
 
 
 
「え、ちょっと、私席についてなきゃまずいんだけど」
「いいから、いいから。内示はまだ当分ないから」
「は?」
 抗う成美を有無を言わさずに引っ張り、可南子は女子トイレに連れ込んだ。
 そこにもう1人の同期、同じ総務局でも階が違う倉田真帆の姿を見てぎょっとする。
 この倉田真帆は、成美の恋のライバルだった。議員や元局長を家族に持ち、そのつてで氷室を将来の花婿候補にしようとしたのだ。
 その時、氷室に手ひどくふられたはずの真帆だが、なぜだかそれがきっかけで本気モードになってしまった。以来、何かにつけては氷室にモーションをかけ、成美の足を引っ張るようになったのだが――
「あら、成美、ひっさしぶりー」
 何事もなかったように普通に挨拶をする真帆は、今、某市会議員の息子とつきあっているともっぱらの噂である。
 彼女の氷室への熱は、彼が官僚という立場を失ったと共に、あっさりと消えてしまったようだった。
 時々、思い出したように「氷室さんって人がいたけど、今はなにやってるのかしらねぇ」と成美に言うが、それは間違いなく嫌味だろう。
「で、マジなの? 内示が土壇場でもめてるって話は」
 まず可南子がそう切りだした。シンクに背を預けて腕を組み、真帆がしたり顔で頷く。
「ほんとみたいよ。まだそっちに情報いってないかもしれないけど、よその局じゃ、さっき口頭内示があったって話だから、遅れてるのはうちの局だけみたい」
「マジで?」
 もちろん成美にもその情報は初耳だった。
「どういうことなのよ、それ」
 普段冷静な可南子も、がっつくように真帆に問いただしている。それはそうだ、可南子も真帆も、成美と同じで今年で2年目の新規採用職員である。
 つまり、役所の慣例でいうと、この4月が異動対象月なのだ。
「詳しいことは知らないけど、どこかの課長補佐級の人事でもめてるみたい。ほら、うちの局長が、内々示を蹴って、その調整がまだつかないんだってさ」
「うっそ。どこの課の話しだろ」
 迷惑な話よね。と、可南子が言い、真帆は肩をすくめて頷いた。
「課長補佐なんて、誰がなったって一緒じゃない。法務でさえ、あんなのが補佐になってもなんとかなってんだから」
「ほんとね」
 彼女たちの同性嫌いは、いっそ心地いいほど一貫している。
 柏原課長の時は嫌な思いをした成美だったが、それが明松補佐であれば、ちょっといい気味だとすら思ってしまう。悪口すら言えず、ただ他人の雑言で溜飲を下げている自分が一番情けないとは思うのだが……。
「ま、私にはもう異動はどうでもいいっていうか。正直、来年役所にいるかどうかもわからないし」
 真帆がそう続け、成美と可南子に視線を巡らせる。
 何故か可南子がノーリアクションだったので、成美は仕方なく口を開いた。
「え、それ、どういう意味なの?」
「んー、結婚するって意味。彼がお父さまの地盤をついで選挙に立てば、私、市の職員なんてやってられないじゃない」
 そういうことか……。
 と、鈍い成美もようやくここで理解した。真帆がわざわざ、内示情報と称して可南子をトイレに呼び出したのは、これを言いたいがためだったのだ。
「そりゃ、大変ね。まだ20代前半で結婚なんて、私には考えられないけど」
 と、冷ややかに可南子。
「そりゃ、相手にもよるわよ」
 悠然と真帆が返す。「ただのリーマンや官僚あたりじゃ、私だって結婚する気になるもんですか」
「田舎の市会議員だって、それほどのものかしら。あ、もちろんそれは、真帆の彼氏のことじゃないけど」
「わかってるわよ、それくらい。彼が市会議員で終わる器じゃないくらい、もちろん折り込み済みだから」
 強烈なマウンテン女子たちの会話に、成美はいつものことながらタジタジである。
「あの……じゃ、そろそろ私は……」
 そして、このあたりで速やかに退場しなければ、彼女らのフラストレーションのはけ口は、必ず最下層(二人からみれば)の成美に向けられるのだ。
「てゆうか、成美は最近どうなのよ」
 きた。
 成美は足をとめ、「どうって……?」と、おそるおそる聞き返した。
「だから彼氏とか、結婚とか。いつも私と可南子の話だけ聞いて、自分は何もっておかしくない?」
 いや、おかしいもなにも、聞きたくないのにそっちが勝手に話してくるだけで
――ていうか今は内示を待ってる最中で、そんなこと話してる場合じゃないでしょ?
「だからさ、いい加減氷室さんのことは忘れなさいって言ってるのよ」
「まぁ、忘れられないのは判るわよ? あれほどいい男が成美になんて、絶対に二度と起こりえない奇跡だもんね」
「だからって、その奇跡にいつまでもしがみつくなんて、情けないにもほどがあるわよ」
 可南子にすら鬱憤のはけ口にされた成美は、溜息をつくと同時に腹をくくった。
 まぁいいか。そろそろ言っても。
「まぁ、仕事はやめる気はないけど、私も結婚するかもしれない。今年の6月か夏あたりに」
「はっ?」
「えっ?」
 2人の視線が、一斉に成美に向けられた。
 これは嘘でも妄想でもない。氷室が先日、両親に挨拶してくれた時に言ったことだ。
 もちろん、確定ではないし、成美の異動先の状況によっては延期――という前提つきの婚約ではあったのだが。
「そんな人いたの?」「どこの誰よ、なにしてる人なのよ?」
 少しでもあら探しをしようという2人を、成美は出来る限りの余裕の表情を見せて、制した。
 もちろん今の氷室の勤め先を素直にいえば、ここぞとばかりに攻撃されるのは目に見えている。それを恥ずかしく思う気はさらさらないが、他人の幸福を祝福する気すらない人たちに、宝物のように大切な2人の思い出を話すのはもったいない。
「社長?」
 成美はさらりと言って、少しだけ自慢げに(見えるように)微笑んでみせた。
「社長?」
「ちょっと、それ何よ。どこの、なんて言う会社の社長なのよ」
「そんなたいしたことないわよ。まだ一部上場したばかりの小さな会社だし。最も彼は、さらに大きな会社にするって張り切っているけれど」
 これは半分は嘘で、半分は本当である。
 氷室の勤務する会社が、最速で一部上場を果たしたのは本当の話である。彼の恐るべき経営スキルは、田舎の土建屋にすぎなかった会社の株価を何倍にも跳ね上げさせ、経営規模を元の数倍に膨れ上がらせた。そして、ついにこの春、一部上場が決定したのである。
 会社の取締役に就任したのも本当の話である。ただし、社長ではない。それは氷室が固辞したのだ。
 実際固辞されなければ成美が困ったことになっていた。想像どおり、彼は社長の娘との婚約を迫られていたからだ。
 が――成美は、これだけは確信できた。
 氷室はおそらく、何をやっても、どの職についても、それなりの成功を収める人なのだ。
 キャリア官僚という肩書などそもそも彼にはなんの意味もなかったのだ。
 この不景気の、先の見えない世の中で、これほど頼もしいことがあるだろうか。これほどパーフェクトな結婚相手が他にいるだろうか。いや、どこにもいやしない。
「とにかくもう最高の人。世界で一番ってくらい最高の恋人。毎日幸せすぎて、困っちゃうくらいよ」
 ぽかんとする2人をすておき、成美はさっさとトイレを出た。
 2年も2人の自慢話につきあわされた成美には、ひとつだけわかった真理がある。
 幸福なんて、結局は言ったもの勝ちなのだ。
 価値観は人それぞれ。政治家の息子でも「その程度」と思う人もいれば、市の職員でも「羨ましい」と思う人もいる。
 そして自分の価値観を肯定できる人は、他人の価値観を押し付けられても揺らがない。どれだけ、何を自慢されようが、自分の選択を卑下することはない。
 そういう人間が本当に強いと思うし――そうなりたいと、成美は思う。
 颯爽と執務室に戻ると、全員の目がいきなり成美に向けられた。課長席には、いつの間に戻ったのか、尾崎課長の姿がある。
 しまった、口頭内示――!
「課長、日高さんが戻るのを待ってたんだよ」
 慌てて席につくと、篠田がこっそりと囁いてくれた。
 おほん、とその尾崎が咳払いをする。そして彼はおもむろに唇をひらいた。
「――雪村さん」
 
 
 
 雪村さん――
「はい」
 と、短く答えて席を立つ雪村を、成美はどこか寂しい気持ちで、そっと見上げた。
 殆ど全員の予想どおり、異動のトップバッターは雪村だった。
 雪村がこの法規係を去っていく。
 それは、いざ現実になると想像以上に寂しい。
 雪村が、課長席の前に立って姿勢を正した。
 課のほぼ全員が、息をつめて課長の次の言葉を待っている。
 雪村が出世コースに乗るのか、それとも滑り落ちるのか、次の瞬間に全てがわかる。
 スキルでいえば、彼がコースを外れるはずはない。が、仕事の出来不出来だけが、出世の条件でないのが、役所の悪しきところである。
 雪村が上司受けしないキャラであることは、成美にだって判っている。愛想がないし、処世術も下手な方だ。加えて口の悪さを咎められたら――彼のスキルに見合わない部署にとばされることも、十二分に考えられる。
「雪村さん」
 尾崎は再度呟くようにいい、手元のペーパーを持ち上げた。
「昇格。総務局行政管理課課長補佐、法規係係長を命ず」
 雪村は答えない。雪村だけではない、課内の空気全体が凍りついてしまったようだ。
 それがありえない人事であるということは、2年目の成美にも判った。
 国から派遣された氷室や柏原ならともかく、生え抜き職員である雪村が、30そこそこの若さで本庁課長補佐職につくなど、前代未聞だからだ。
「あー、判っていると思うが、破格の人事だ。来年度より、昇格条件から在籍年数が除外されたために、このような結果になった」
 尾崎が続け、ようやく雪村の声が「はい」とだけ聞こえた。
 どこからか拍手が響き、それは静かに課内全体に広がった。
「嘘だろ。内示で拍手なんて初めてだよ」
 呟いた篠田も、嬉しさを隠そうともせずに拍手を送っている。
 成美も、目を潤ませながら手を叩いた。誰もが雪村の忍耐と功績を知っていて、この結末を祝福している――それが、どうしようもなく嬉しい。
 おほん、と尾崎が再び咳払いをした。
「反対の声も多かったが、局長はじめ新任課長がぜひにというので、この結果になったとだけつけくわえておこう。ちなみに明松補佐は、1時間年休をとって帰られた。彼女は総務局秘書課に異動になったよ。もう課長補佐ではないがね。――少なくともここよりは、ふさわしい場所だろう」
 疲れたように尾崎は溜息をつき、雪村は深く頭を下げた。
「大地さん」
 尾崎が次の名前を呼ぶ。
「はいっ」と大地が席を立つ。
 それまで、雪村の昇格に心を奪われていた成美は、再び自分の胸が高鳴り始めるのを感じた。雪村、大地とくれば、次は間違いなく自分である。これまでの慣例からいって、同じ係で3人以上同時に異動することはない。
 ちらっと総務課側をみると、可南子が総務課長の前に立っているのが見えた。可南子は異動だ。そして次は私―――
「以上」
 尾崎がそう言って席を立った。
 気づくと大地は席につき、どこか険しい顔でうつむいている。
 え? 
 と成美は眉をあげていた。え? 今以上って言った? え?
「最後になるが、私も次長として、都市整備局に異動することになった。後任課長については、まだ公表許可がでていないので、おって文書で連絡がくるだろう。――短い間だったがありがとう。またあと5日、足に地をつけて仕事をするように」

 
 
 
 
 
  
 
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Copyright2011- Rui Ishida all rights reserved.この物語はフィクションです。